2020/09/05

新型コロナウィルスと向き合えば… ③どれだけ知ってる? 新型コロナウィルスのコトを…



新型コロナウィルスに関わる話題を、目に触れた範囲で信頼性が高そうな情報をメモり、現況を整理してみた。

予定は全部で三回。

三回シリーズで取り上げる話題を記します。

    ① 世間の動き ……………(こちら

    ② 防護具マスク ……………(こちら

    ③ 新型コロナウィルス ……(このページ


 三回目の今回は、話題を「新型コロナウィルス」に絞ってみた。




<新型コロナウィルスのコト、どれだけ知ってる?>


新型コロナウィルス:発生時期と変異拡散時期 08.05.新聞報道 国立感染症研究所

新型コロナウィルスの特徴も遺伝子分析から明らかになってきた。

 ・2020.01.03.……中国湖北省武漢市由来ウィルスで、直接流入か。

 ・2020.03.05.……第一波。欧州由来ウィルスか。

                                   飲食店等でクラスター発生→家庭内感染→病院、高齢者施設等へ拡散。

 ・2020.06.~? ……第二波。欧州由来ウィルスの一部変異株を確認。第一波から倍増。

            東京歓楽街(新宿等)を起点に他都市部へ、沖縄へ、全国へと拡散。

                                     飲食店等でクラスター発生→家庭内感染→病院、高齢者施設等へ拡散。

一般的に、ウィルスは変異しやすい特徴がある。今回も既に変異が確認された。今後もその可能性がある。


ウィルスの寿命  3/19 報道記事より抜粋改)
新型コロナウィルスの寿命(感染能力)が明らかになってきた。
18
日までに米国立衛生研究所(NIH)等の研究チームが発表したところによれば…
一般的に、ウィルスは宿主細胞から離れると活動を維持できなくなるが、新型コロナウィルスが培養用の細胞から離れて「エアロゾル」という飛沫よりも小さなサイズの微粒子状態で空気中に漂っているときには最大3時間後でも感染能力を保持していた。

空気中……………………… 3時間以上      ← 重要!

プラスチック板上………72時間以内

ステンレス上……………48時間以上

板上…………………… 4時間以内

段ボール上………………24時間以内

   これらの場所では数時間~数日間は新型コロナが感染能力を保持しており、空気感染、接触感染への注意が必要。消毒作用時にも留意を。

  ※ 飛沫中や水中での情報が未解明。

微細飛沫はマスクやフェースガードから漏れて空中に拡散し、大きな飛沫は地表に落下、一部は埃等に付着し、乾燥して縮小し、一部は空中に舞い上がる。このような飛沫中での感染能力持続時間が不明。

 

ウィルスの微細さ   3/19 報道記事より抜粋改)

   花粉 30μm、   ヒトの細胞 10.0μm、     飛沫 ≧5~3μm、

        結核菌 3μm、    PM2. <.5μm        細菌 約1μm、

       ウィルス  .02~0.1μm             ← 注目!          (1mm = 1000μm)

   ウィルス単独のサイズは極めて小さく、きめが粗い布マスクはほぼ素通りするサイズ。 飛沫は花粉の1/10以下、ウィルスは花粉の1/1000…

    空中浮遊ウィルスは飛沫や埃等に付着して浮遊するので、これらの粒子の捕捉率がキーポイント。 飛沫は、時間の経過につれて乾燥し、サイズが縮小し、微小粒子の捕捉率がさらに重要に… だが、微小粒子ほどマスクでの粒子捕捉率は低下する。

   市販マスクに高機能マスクはなく、マスクへの過信は禁物! 気休め程度…と思いたい。

 

 

症状に性差?>      8/31 夕刊記事 米エール大岩崎明子教授ら:8/26付ネイチャー誌)

新型コロナウィルスに感染すると、重症化リスクは男性の方が高い…そうだ。

これまでに、約1700万人の分析結果から男性の方が新型コロナウィルスによる死亡リスクが高いとする報告があったことを受けて、免疫反応の違いによる可能性について感染初期の患者約90人を対象に検討。

炎症を引き起こす細胞由来の蛋白質の一種サイトカインが男性に多く、重症化しやすい傾向が見られた。

一方、女性はウィルスに対抗する抗体産生に関ったり感染した細胞を攻撃する免疫細胞「T細胞」が多く、ウィルスへの抵抗力が強いことが示された。

男性では、T細胞が強く反応する人ほど重症化しにくく、若くて痩せているほどT細胞が反応しやすかった。

女性では、この様な特徴は見られなかった。

 

 

不活化

新型コロナウィルスの消毒・除菌方法は、政府の特設ページ(*)をご一読願いたい。

 * 「新型コロナウィウスの総毒・除菌方法について(厚労省、経産省、消費者庁特設ページ↓)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

エタノール

  殺菌効果が強く確実性が高いことで知られる。引火性に注意。

  ・日本薬局方 消毒用エタノール:医療機関で汎用される純度約80%の含水性エタノール。

  ・業務用 無水エタール:飲用不可のエタノールで、少量の高沸点アルコール数種類を含む。

 

消毒剤5/23 報道記事より抜粋改
経産省は22日、台所用洗剤に含まれる洗浄成分「界面活性剤」の内の5種類が有効だったと発表した。

     5種類の成分……「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」、「アルキルグリコシド」、アルキルアミンオキシド」等。

 一定の濃度でウィルスの数を99.99%以上減少させる等の効果を確認。

 (実験方法)有効成分を含む洗剤2.5~5gを水500mlに薄めて布に染み込ませ、テーブルを拭く、という使い方を想定。

     ・対象外…手指の消毒。

             目に入ったり吸い込む恐れのあるスプレー噴霧。

   次亜塩素酸水は、消毒対象物表面を十分湿らせた後、20秒間以上の待機時間が必要。

    注:不安定で酸性の「次亜塩素酸水」と、アルカリ性の「次亜塩素酸ナトリウム」とは同一ではない。

   エタノール蒸気でほぼ即死するが、5種類の界面活性剤もほぼ死滅させられる、という。だが、設定条件下では…という点が一般ユーザーに周知徹底できるかが問題かも…

    留意すべきは、一定方向に拭く等の拭き方がポイント。

エタノール並みの即効性は期待しない方が賢明かも…

    消毒用ジェルを購入の際は、これらの界面活性剤の有無・種類の確認が必要。

 

オゾン8/27夕刊 報道記事より

  ―藤田医大―

   従来より知られているインフルエンザウィルスや緑膿菌等の感染力抑制効果があり、救急車でも使われていて人体に影響がないとされる「低濃度オゾン」が、新型コロナウィルスの感染力を低下させる、と発表。

   高濃度オゾンのウィルス抑制効果は既に確認されている。

   実験は、オゾンで満たされたアクリル製の箱の中に、ウィルスが付着したステンレス製板を設置し、国内の工場等で適用される作業環境基準を満たすオゾン濃度0.ppm湿度約80%の条件下で実施された。

結果は、感染力のあるウィルスが10時間で4.6%まで減少。

   米国食品衛生局基準0.05%のオゾン濃度では、20時間で5.7%まで減少した。


  ※低濃度オゾンが有効なら、空間散布消毒時の簡便で有力な手段になりそう…

         でも、即死はムリそうなので、空間消毒散布後一昼夜は近寄るべからず…かな。

 

 

新型コロナウィルス感染有無検査

厚労省HP:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00132.html

現在、感染症法い基づく医師の届け出により、疑似症患者を把握し、医師が診断上必要と認める場合にPCR検査を実施し、患者を把握している、のが政府の姿勢。

このPCR検査に医療保険を適用することになった(3/6~)。これにより、保健所を経由することなく医療機関が直接民間検査機関等での実施も可能となった。

だが、個人的希望による検査費用は自己負担となるので、網羅的に検査網を拡大しての無症状感染者の早期発見には至らない。

 

検査用検体は鼻咽腔むぐい腋に限られていたが、症状発症9日以内なら鼻咽腔ぬぐい腋と唾液のPCR検査も可能となり(6/2)、無症状者にも唾液検査を活用できることになった(7/17~)。

 

  ※ここでキーポイントとなるのが対象者からの検体採取技術レベルであろうか。

   検体採取技術や知識が未熟なら、検体採取が拙くて陰性と誤判定の可能性もあるので…

   「再陽性」を信用する前に、「陰性化」検体採取技量に問題はなかったか…

   溢れる情報は、常に検体採取は問題ナシとの前提のようだが…

 

 

新型コロナウィルスの法的位置づけ・初期対応を見直しか…?

新型で詳細不明の感染症が突然発生したような状況だったために、期限付きの「指定感染症」として、5段階ある危険度で死亡率が高い場合の「1類相当」に次ぐ「2類相当」の「指定感染症」として対応することとなった。

「2類相当の指定感染症」は入院勧告や就業制限ができる。

このクラスは、MERS(中東呼吸器症候群)やSARS(重症急性呼吸器症候群)と同等。

インフルエンザは「5類相当」。

この分類に従った結果、医療従事者への過大な負荷が問題化される状況となり、今後の対応は政令見直しも視野に検討中のようだ。


初期症状が似ているインフルエンザの流行期の冬には現在の初期対応体制では対応困難の恐れありと、インフルエンザとの同時流行に備えて、厚労省は、新型コロナウィルス様の発熱症状のある患者の相談窓口を、相談は「帰国者・接触者相談センター」、診療は「帰国者・接触者外来」や地域の検査センターのルートを見直して、近くのかかりつけ医に電話相談・対応医療機関紹介も可能とする方向で検討中とか…

 

 

死亡率、特効薬、ワクチン

致死率

他のウィルス疾患の死亡率との比較是非等について、多くのDr達が意見や解説を述べているので、ご自身でご一読を…

  ※ 2020.9/21 クルーズ船を含めた国内の累積感染者数:80184人、 死者1527人、 死亡率1.90%

                                        世界全体:3108万4007人、 96万1066人、 3.09%

 

特効薬

治療薬は、数種の既存薬の適応外処方が試行されているようだが、いわゆる特効薬出現のニュースはまだ知らない。


ワクチン

候補薬数種が欧米や日本で現在Phase Ⅲ(第三相比較臨床試験)の最終段階にあり、順調なら、年内にも実用化か…との強い期待感もあるようだ。

WHOは、世界で臨床治験段階にあるワクシン候補は34種類あると発表している。

 

欧米を含めて、開発中のワクチン確保に日本政府も動いている。

2021年前半中に国民全員分を確保し、ワクチン接種費用を無料化する方向で…

追記:2020.09/10.】 ―深刻な副作用の疑い例発生で治験中断―      (各種報道より)

世界で最も開発が進んでいるワクチンの一つとされるアストラゼネカ社(英)のワクチンの臨床試験段階で、因果関係はまだ不明だが、英国でワクチン接種後に被験者が神経障害の一種「横断性脊髄炎」と診断され、全世界での臨床試験を一時的に停止したと発表。

通常の手続き同様に、独立した委員会で安全性を検証予定。

7月発表の治験中間成績では、主な副作用は、痛み、頭痛、発熱、悪寒等だった。

現在、米、英、ブラジル、南アフリカで治験中で、日本でも8月から約250人を対象とした初期段階臨床治験を開始したばかりだった。

追記2020.09.12. TV速報】アストラゼネカ社は、独立機関で安全性を検討中だった開発中ワクチンについて、中断中の臨床試験を再開すると発表。


追記:2020.09/23】富士フィルム富山化学は、新型インフルエンザ治療薬「アビガン」について、10月にも新型コロナウィウス感染症の治療薬として製造承認申請すると発表。一定の効果が得られたという。

 追記:2021.01.28.】 ワクチン接種の進捗率で、日本は完全に出遅れている!

WHOによれば、1月18日時点で世界のワクチン接種が実施されはじめた国は50ヵ国。40ヵ国は高所得国で、接種済み4000万回の95%は10ヵ国に集中…だそうだ。 日本は蚊帳の外…

世界のワクチン接種率は約0.8%。(英オックスフォード大など)

<世界の新型コロナウィルスワクチン接種状況>

                国       人口比     接種回数

              -------------------------------------------------------

               イスラエル    32%     273万回

               UAE      25%     243万回

               英国       10%     685万回

               米国        6%    1990万回

               中国        1%    1500万回

(英オックスフォード大など)


追記2021.01.27.

回復後の後遺症

武漢市の新型コロナウィルス感染患者の退院後の様子を調査した。

発症から半年前後をめどに、医師による面接や検査で後遺症の有無を調査。

対象は、昨年5月までに退院した47~65才の1733人。

その結果、回答者の76%が何らかの後遺症を抱えていた。

多い順に、「倦怠感や筋力低下」63%、「不眠」26%、以下、20%以上は脱毛だけで、約10%は臭覚異常、その他10%未満で動悸、関節痛、食欲不振、味覚障害…と続いた。ほかに不安、気分の落ち込みも。また、入院中の症状が重かったら肺機能低下が続きやすく、肺画像診断での異常発見割合が多い、という。

(中国医学科学院など)

追記2021.01.28.欧米56ヵ国感染者4000人弱の対象調査では、歩行困難、幻覚、倦怠感、認知機能障害、不眠、めまい…等の後遺症と、2/3以上で半年以上も何らかの症状を抱える。




ワクチンや治療薬が開発され、治療法が確立されれば、新型コロナウィルスも罹患者が減るだろうし、通常の肺炎並みの感覚で理解されるようになるだろうか。

 

そんな時期がやってくる日が

早からんことを願いつつ…

 

 

これまでに、社会情勢、防護具のマスク、ウィルスを主テーマに3報に分けて長文で新型コロナウィルスの話題に触れてきた。

強いて要約するなら、次の諸点になろうか…

*新型コロナウィルスは、3時間以上も感染力を保持しながら空中を浮遊する。

  感染リスクは、接触感染よりも空気感染がハイリスクか…

*「三密」は、空気感染の可能性がある限り、閉鎖空間では説得性に欠ける…

  空気感染ならば、感染回避策の三密回避、滞在時間制限等は説得性が弱い。

  換気不完全な密閉空間に出向く場合には、「感染があり得る」の覚悟でどうぞ…だ。

  密閉空間では、常時強制換気が大原則。低感染リスクは外気流入の風上側。

*経済、社会基盤機能重視には、「陰性証明書」携行の義務化が必須か…

  未知感染症防止対策には、迅速、広範囲の検査態勢の確立が鉄則。

*頼みの防護具は一般的なマスクだが、製造指針がなく、市販品は性能的には様々か…

 〖市販マスク〛機能的には不完全で、吐息で漏れ出すし、吸気で吸い込む。

   感染リスクの低減、拡散リスクの低減具であり、感染防止具ではない。

   データ的には、感染防止を期待できそうなのはN-95マスクだけ…

   感染防止機能は全く不十分。 拡散防止機能も不十分。 ないよりマシと思うべし。

   浮遊エアロゾルウィルスへのフィルター機能はほぼゼロと心得るべし。

 〖フェースガード〛目視的好感度は大だが、効果は大粒飛沫の直接暴露防止だけ… 

   実用性はゼロと心得よ。

*マスクは、正しく着用を…!

  鼻出しマスク、ぶかぶかマスク等は効果ナシと思うべし。

  マスク効果を過大評価し、過信するコトなかれ。

*ワクチン接種を期待できそう… あと1年足らずで…

  適応症拡大治験中の既存薬も、新型コロナ治療薬として登場も近々か…


※ 既報一覧の目次ページはこちらです。


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