新型コロナウィルスに関わる話題を、目に触れた範囲で信頼性が高そうな情報をメモってきたが、この辺りで現況を整理してみた。
予定は全部で三回。
① 世間の動き ……………(こちら)
② 防護具マスク ……………(このページ)
③ 新型コロナウィルス ……(こちら)
二回目の今回のテーマは「マスク」…
プロではないけれど、日頃から何となく使っているマスクのコト、基本的なコトはある程度知っておいても損はないかと調べてみたら、なんと”マスクを過信することなかれ”という答えが浮かんできた。
※ 文調から一部誇張的表現を使用。
< マスクのこと、どれだけ知ってる? >
★ マスクの役割
新型コロナウィルスは感染者が放出する飛沫に含まれ、飛沫のサイズは大小いろいろ…
ウィルスはこの飛沫に潜み、空中に漂い、健常者が吸入すると感染する。
だから、健常者は感染したくないからマスクを着用し、感染者は感染拡大させないようにとマスクをする。
マスクって、感染防止効果をどのくらい信頼できるのだろう…
感染者も、健常者も、お互いの感染防止のために、マスクを正しく使いたいが、現実は厳しそう…
実際、お偉い政治屋サンも、国内流入阻止最前線に立つ検疫官も、露出度が高いTV関係者も、昼夜を問わず日々奮闘するDrや看護師や薬剤師も、なんとマスクの不適切な着用者の多いコト…
相手(新型コロナウィルス)を知り、己(のマスク着用姿)を知り、味方(マスクの性能)を知って、正しく使いたいもの…
◆
各PPE(個人防護具)の選定規格基準
*個人防護具………マスク、ゴーグル、手袋、ガウン等。
*参照(https://med.saraya.com/kansen/ppe/kikakukijun/mask.html)
*基準:アメリカにはあるが、日本にはない。
<素材条件:米国> ………米国試験材料協会(ASTM)
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医療用マスクの素材条件 (ASTM F2100-11) ------------------------------------------------------- |
|||
特性 |
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
細菌濾過率(%) |
≧95 |
≧98 |
≧98 |
微粒子濾過率(%) |
≧95 |
≧98 |
≧98 |
呼気抵抗(㎜H2O/㎝2) |
<4.0 |
<5.0 |
<5.0 |
血液不浸透性(㎜Hg) |
80 |
120 |
160 |
延燃性 |
Class1 |
Class1 |
Class1 |
ASTM F2100-11: Standard Specification for Performance of Materials Used in Medical Face Masks. 2011
1.細菌濾過率(%)【BFE】 細菌を含む、平均約3μmの粒子が濾過された率を示す。
2.微粒子濾過率(%)【PFE】 平均約0.1μmの微粒子が濾過された率を示す。
3.呼気抵抗(㎜H2O/㎝2)【⊿P】 呼吸のしやすさを示す。
4.血液不浸透性(㎜Hg)【FR】 液体(血液)が飛散した場合、どの程度の圧力にまで耐えうるかを示す。
5.延燃性 電気メスを使用する手術室などにおいて、炎の広がりにくさを示す。
クラス1~3まで3段階に分かれ、数値が小さいほど燃えにくいことを表す。
<規格:米国> ………米国の基準(ASTM:米国試験材料協会;下記参照)
*呼吸器防護規格 (NIOSH):各性能を捕捉効率で規定。
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フィルター性能 捕集効率(%) テスト粒子
低(≧95%) ~ 高(100%)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
N 耐油性なしの規格 (N95 N99 N99.97) エアロゾル化した塩化ナトリウム
R 耐油性ありの規格 (R95 R99 R99.97) エアロゾル化したフタル酸ジオクチル
P 防油性ありの規格 (P95 P99 P99.97) エアロゾル化したフタル酸ジオクチル
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
NIOSH : 42 CFR Part 84 Respiratory Protective Devices
* 各数字は、捕捉率下限%を意味する。
※ 医療現場では耐油性能は求められていないこと、N99やN100は呼気抵抗が高く日常の使用には向いていないことから、医療現場ではN95マスクが選択される。
※
市販マスクでは、「N95」適合品が最高規格品。
日本では、このような厳格な製造基準はなく、大半の市販マスクは米国基準に準拠する。
<規格:日本>………厳格な規格基準は存在しない。
日本には米国のような製造指針はない。
労働安全衛生法に基づく基準では、防塵規格マスクとしてDS1,DS2規格があり、規格基準的にはDS2がN95に相当するようだ。
自主基準レベルで、「日本衛生材料工業連合会自主基準」に沿って製造され、国内に流通する。
※ 市販マスク購入の際には、米国基準準拠か国内の自主基準準拠製品か否かの確認が重要。
規格外の不良品、布マスク、手造りマスク等は、外見上似てはいても、米国基準合格マスクと比べて機能面での大きな差に留意。
※
外見的にはマスクであっても機能面的には千差万別…で、本来の目的を果たす機能を有するマスクとは限らないのが現在のニッポンの現状…
★有用なマスクって?
<マスクの性能>
*N95マスク:………約0.3μm以上の微粒子を95%以上補足する。呼気漏れは10%以内。
*サージカルマスク:…医療現場で汎用されるタイプのマスクで、5μm以上の粒子を補足する。
*不織布マスク:………三層構造。帯電性を有する中間層がフィルター機能を発揮。
*他のマスク:…………花粉、埃、砂塵等の大粒子程度なら概ね捕捉可能。過信厳禁。
顔にしっかりフィットするものを選ぶことで、空気感染する結核や麻疹などから着用者を守る。
※ここでいう0.3μmとは動力学的質量径(粒子の密度を考慮した数値)であり、数量中位径(実際の粒子の大きさ)で表すと0.075μmとなる。
<スパコン計算予測>
※ 計算速度世界一で知られるスーパーコンピューター「富岳」を使って、数種のマスクを対象に飛沫の広がり方を計算した(8/24 神戸大、理化学研究所 中間報告)
・自分が咳をした場合、不織布マスクよりも劣るが、手造り布マスクは飛沫を7~8割キャッチした。
素材は綿よりもポリエステルの方が効果が高かった。
・他人の飛沫の吸引防止効果は、医療用マスクはほぼブロックできたが、顔との隙間が生じる不織布マスクは大きい飛沫をキャッチできるが、小さな飛沫に対しては効果が限定的だった。
つまり、マスク着用者は、自身と他人放出の微細飛沫の吸引リスクがある、との結果だった。
・フェースシールドは、着用者の大きな飛沫は捉えられたが小さな飛沫は隙間から漏れ出た。
つまり、微細飛沫は捕捉不良で、マスクと大差がなさそう…
これらの計算結果は、不織布マスクも手造り布マスクもフェースシールドも、着用者の微細飛沫を空気中に放出し、空気中の微細飛沫を吸引するリスクを否定できない、というコト。
つまり、性能面的には、気休め程度よりもマシ…?
★マスク、その使い方じゃダメ!
<ダメなマスク姿 >
・ダメ①:顎ちょい掛け型……顎だけを覆い、口や鼻は丸出し。
マスク使用の意図不明。外見的には無精者の印象で極めてダサい。
・ダメ②:口隠し型……口だけを覆い、鼻部分が丸見え状態。
人格的には外見だけでの見様見真似タイプか。
呼吸の大半は鼻部呼吸で、マスクの機能面的にはほぼ無意味。
・ダメ③:鼻の孔隠し型…マスク上端を鼻頭(鼻尖)にちょこっと被せているだけ。
口と鼻頭を軽く覆うだけで、肌との密着性ほぼゼロ。
以前、呼吸量の約半分弱は肌との隙間から…とも報道されていたっけ。
・ダメ④:裏表無頓着型…裏と表を逆のままでマスク着用しています!も少なくない。
リバーシブルなマスクってありましたっけ…?
大気中微粒子の捕捉率はマスクの表側からの吸気時の機能を保障する。
・ダメ⑤:低コスト重視型……花粉除けならOKの廉価マスクでウィルス防護は無理…
マスクは、捕捉可能粒子サイズが小さいほど高性能、高価格…
極小サイズの怖ぁ~いウィルスも捕捉可能な高性能マスクは価格も高い。
↓
<好ましいマスク姿 >
※OK!:目的重視型……顎~口~鼻尖(鼻頭)~鼻背(鼻筋)~鼻根(眉間部)までをすっぽりとマスクで覆い、鼻筋や頬等の肌とマスクの隙間が生じないように密着させる。
マスクは、使用目的に合致した性能のマスクを着用する。
花粉や製材・石材等の加工時の粉塵サイズは大きく、ウィルスは極小サイズだ。
★中国製粗悪品マスクに注意 (2020.05.09. 報道記事より抜粋改)
* 新型コロナウィルス蔓延騒動を受けて世界的に品薄となったマスク…
米国も事情は同じで、米食品医薬品局(FDA)が中国メーカー65社に対して、劣悪な品質上の問題で米国内での輸入販売を禁止した、との報道が5月7日に流れた。
(経緯)
*米職員医薬品局(FDA)は4月、マスク不足を背景に米国の医療従事者向けに、米国の検査機関での事前品質評価を実施しないままにマスクの緊急的な輸入販売を、中国80社に許可した。
↓
だが、大量輸入が始まった後に疾病対策センター(CDC)が調査すると、ウィルスを防ぐ機能がCDC基準に満たない製品が見つかった。
基準では、ウィルスを95%防御するよう求めているが、中国製マスクは24~35%しか防げないマスクもあった。
↓
FDAは、中国メーカー65社に対して製品の品質が米国基準を満たしていないとして、米国内での販売を禁止したコトが5月7日に明らかになった。
↓
米国が輸入禁止し始めた5月上旬以降から、日本では店頭にマスクが並び始めた。
★浮遊ウィルスに対して有効? ソーシャルディスタンス、換気、フェースガード、マスク
上記の諸々を整理すると…
新型コロナウィルスは、感染者の呼気から飛沫とともに放出される。
飛沫は、マスクやフェースガードに付着する飛沫と、肌との隙間から漏れて空中に拡散される飛沫がある。
マスクやフェースガードは直接的な飛沫をブロックするが、顔面に沿って漏れる飛沫を阻止できない。
マスクやフェースガードとの隙間から漏れたウィルスを含む呼気は長時間空気中を漂う。
放出された飛沫は時間とともに乾燥・縮小し、さらに微細化され、空中を長く浮遊しやすくなる。
ウィルスの空気中活性保持は3時間以上と確認されている。
閉鎖空間では、換気効率の良否が重要となる。
データ上、N-95マスクは期待できるが、他は、感染防止効果を期待薄か…
端的に言うならば、マスクやフェースガードしていても、ソーシャルディスタンスを保っても、時々換気の室内でも、空中を浮遊しているウィルスから逃れることは無理…
なので、「三密」は根拠が薄い。営業時間制限も根拠不明… ウィルスは動き回るだろう。
安心の時期は、
①全員抗体検査を義務付けて短期有効期限の「陰性証明書」携行を義務付けるか、
②感染回復者や無症状感染自然治癒による免疫獲得者が大多数となるか、
③特効薬完成か…
なので今は、「君子危うきに近寄らず」を旨とすべし、か…
★マスクの再使用法
―エタノール消毒法― ………独自考案法
マスクが市中の店頭から姿を消した頃に閃いたマスクの節約再使用法である。
(方法)
使用済みマスクをエタノール蒸気に晒してウィルスを不活化後にマスクを再使用する。
メリット:布繊維にダメージを与えず、マスク機能を保持したまますぐに再使用できる。
(1)材料
・使用済みマスク
・チャック付きポリ袋(マスクが入るサイズ)
・「日本薬局方 消毒用エタノール」、
または、高沸点アルコール数種が少量混入された「業務用無水エタノール」
・ガーゼ 又は脱脂綿 (少量)
・ガーゼ又は脱脂綿を入れる耐エタノール性チャック付き小型ポリ袋
(2)消毒の手順
① 使用済みマスクをチャック付き袋に収納する。
② 小さくカットされたガーゼ(又は脱脂綿)を小袋に入れる。
③ 小袋(非密封)に、ごく少量(ガーゼ等が湿る程度)エタノールを含ませる。
④ ③を、①に入れる。
⑤ チャックをしっかりと確実に閉じる(密封)。
⑥ 次回に使うまで開封せずに保管する。
※注意:間違っても他の消毒剤(次亜塩素酸水等)を代用しないコト
密封保管中に、使用済みマスクは袋内に充満したエタノール蒸気に晒されて消毒される。
※今回のウィルスに対する研究報告はまだ報道されていないが、
以前に蔓延した新型ウィルス類は「エタノールでほぼ即死状態に不活性化される」
と報道されている。
―界面活性地消毒法―
使用後マスクは揉み洗いせずに、海面下製剤入り市販品総毒液の100倍水溶液(水500mlに消毒液5g)に静かに浸漬し、流水で静かによく洗い、そのまま静かに乾かす。
繊維構造を痛めないので、この方法も手軽に応用できる。
マスクも常備が習慣の我が家だが、今回は、常備マスクが大活躍。
店頭からマスクが突然姿を消しても、我が家は無影響…だった。
今回のコロナ騒動以前にストックしたマスクなので、米国基準合格マスク。機能面が明らかなのでリスクも理解できるし、使用中も安心感がある。
今は、My Bag には数枚のマスクを入れている。常備品のN-95マスクも忍ばせて…
ハイリスクな場面に遭遇したと第六感が働いたとき、着用マスクを性能面で安心感に優れるN-95マスクに即座に差し替えるつもりで…
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