最近は、集中豪雨とか線状降水帯とかの短時間豪雨に見舞われて河川氾濫、下水管逆流噴出、低地の水溜まり等で浸水被害を受けた…とのニュースが幾度も流れて来る。
トラブルの中には、鉄道や道路の下を潜るアンダーパス道路の冠水、そこを通過中に停止・水没した車両も…
運転中のトラブル発生…の事態を耳にすると、長年の間に経験した幾度かの突然の運転トラブルを思い出す。
< 半世紀超以前のクルマ事情 >
( 運転免許試験 )
運転教習所・自動車学校が存在しない時代だった。
運転免許取得は、運転免許試験場へ直接出向いてペーパー試験と実技テストをパスするのみ。それをクリアして以降現在まで長年マイカーを重宝した生活を過ごしているので運転歴は相当長い。当時は、街外れや山間部の道路事情は随分悪かった。
( エンジン駆動 )
あの時代には現在のようなセルモーター駆動は無く、小型漁船のように、巻き付けた紐を強く引っ張って焼き玉エンジンを駆動させるとか、エンジン駆動は人力が普通だった時代…
乗用車のエンジン駆動は車の前に立ってクランクという鉄の棒を車のモーター部に差し込んで強くモーターを回してエンジンを駆動させていたっけ… 試験場のテスト車は”トヨペット クラウン”がメインだったような…
自転車のハンドルのようにハンドルが左右に大きく張ったオート三輪車の駆動は、運転席床面に付いていたペダルを強く踏み込んで駆動させていたっけ… 車種は”くろがねダットサン”とか称していたような…
クルマの整備も現在のようには充実していなくて、得意な方は自力で調整整備していた時代…
< 突然の運転中トラブル >
このような時代から長年マイカーを新車ばかり乗り継いできたこの身には、当然、運転中にいろんな経験に遭遇してきた。
例えば、
――突然の激しい豪雨――
( 豪雨の山道で視認不良 ① )
二十歳頃、友人と標高1000m足らずの山脈越えの細い山道を走っていたら…
突然、バリバリ!と天井を叩く大きな音とともに豪雨が襲ってきた。
車内の会話が聞こえない…
フロントガラスは、ワイパーが役に立たないほどに流れ落ちる雨量で前方が全く視認できない
前方の様子を慎重に確認しながら、初めての山道を最徐行で車を走らせた。
後日、気象庁がこの日の豪雨に「◍◍年ナントカ豪雨」と名付けたっけ…
(冠水アンダーパスで浮いた車両)
半世紀ほど前のコト…
線路の下を潜る生活道路で、時々走るアンダーパス。ある日、豪雨が弱まった頃に到着すると中央部が水没していた。当時は水深を測るメジャーは未整備。状況を目測で推測するのみ…
最大水深は、直感的に車体床面が接するかどうか…と推測。 クルマの排気口は水没するがエンジン部の吸気口やガソリンの点火プラグの水没は無さそう… 濡れたブレーキ装置は機能低下するかも…
対応策は…?
排気口からの浸水防止対策上、加速ペダルを踏み続けて水圧に負けない排気ガス量を出し続ける。 排気ガス量の維持が最優先だ。 エンジンは高速回転するが、徐行が必須。なので、路面とタイヤとの回転摩擦を弱めて空回りしやすいようにギアを中~高へシフトさせる。
矛盾した運転操作で深そうな約10m区間を耐えながら冠水エリアに進入することにした。
エンジンを空ふかし気味に冠水エリアにゆっくりと突入…
水の抵抗を受けながらもクルマは前進…
と、突然エンジン音が変わった。タイヤの摩擦感覚が伝わってこない…
一瞬で理解した。 車体が浮き上がったって…
水に浮いた車の運転って奇妙な感覚の初体験。 幸い吸気口は水面上…だ。 排気口からの浸水を阻止するためにギアをトップへ、アクセルを踏み込み、エンジンの回転速度を上げた。
その排気ガスの排気力と進入した車の惰性速度でクルマは浮きながらもゆっくり前進し続けた。
車内への浸水は見られず。
ほどなく、車輪が路面に接した感覚が伝わってきた。
スピードが出過ぎないようにアクセルの踏み加減をコントロールし続けた。
なんとか水没エリアを抜けられた。
ここで一旦停止。
サイドブレーキを引いて効かせながらクルマを最徐行で発進。 摩擦熱でブレーキ部の水分を蒸発させてサイドブレーキの効きを復活させたいと…
同様に、制御状態が通常に戻るようにブレーキペダルも頻繁に踏み続けた。 その間、クルマは徐行… ブレーキを踏むごとに徐々に制御力が戻ってくる感覚が強くなっていった。
何も検討も対策もナシで水没ヶ所に突入するのは事故の元…
今回のニュースで思い出した経験です。
――滑りやすい砂粒で覆われた路面――
( 路面に堆積した砂塵 ① )
40年ほど前だったか、北陸のある街中、緩やかな下り坂の広い道路をゆっくり走行中のコト…
前方の障害物に近づいたのでゆっくりと減速、停車しようとしたら…
うわぁっ! 車のブレーキは作動している感触だけど、クルマが減速しない…!
なぜだ?
車が斜め前方に方向転換しながら、勝手に流れ始めている…
つまり、スリップ…!だ。
うわぁ タイヘン…
タイヤと路面との摩擦が最大になるように…と、ブレーキペダルを踏み続けながら、小刻みにハンドルを切り続けた。
幸いほぼ徐行速度だったので、横滑りしながらも車自体の重さで徐々に減速しながらもようやくなんとか斜めに停止した。
車のエンジントラブルでも、ブレーキ故障でもない。
不思議に思って車を降りてみたら…
一目で”原因”を把握した。
この日は晴天で、路面はカラカラに乾燥していた。
その路面が、強い海風に乗って運ばれたとても細かな砂粒が道路一面に敷き詰められた状態…
これじゃぁ車もヒトも簡単に滑るよなぁ…
( 路面に堆積した砂塵 ② )
また別の場所でも似たような経験を…
その道路は、交通量が多くはないが広い神社に向かう参道だった。
ゆっくりと走らせていた車を路傍に停車させようとしたら、なぜだか車が斜めになって横滑りしながら停車した。
幸いにも、前後に他車の駐車が無かった。
車を降りて確認したら…
停車位置一帯の路面が細かい砂埃で吹き溜まり状態となっていた。
でも運転席からの視認はムズカシイ状況…
この日の天候は晴天で、乾燥した砂埃の流動性は抜群…
この状態ならスリップ確実…だよなぁ。
――トンネルを抜けると新雪やアイスバーン――
(新雪・アイスバーン)
40年余以前のこと。
冬真っ只中のある日、日本海方面に向かって高速道路を走っていたら…
長いトンネルを抜けると…
路面が真っ白…! 一面が積雪! 同路側帯の白線が全く見えない…
先行車のわだち跡を頼りに注意深く走行する。
またトンネル… 抜けると白い雪道…
幾つものトンネルを通過したが、トンネルを抜けた先の白い雪道はそれぞれ状況が異なる特有の雪道だった。
例えば、
*降った雪の一部が溶けて水を含んだ雪が踏み荒らされてグチャグチャの白い路面…
*表面がコチコチに凍ったアイスバーン状態の路面…
ここを走るとバリバリ…と音がする。 場所により分厚そうな氷、薄そうな氷、凍っていない雪道… すごく気を遣う道…
*何の跡もない新雪に覆われた真っ白な路面…
目印が無く、道幅が不明、路面状況が分らず、前方に走行中の車両も無く。スリップだけは避けようと兎に角車両を真っ直ぐにキープさせながら進んだ。
なので、スノータイヤを装着していたけれど、トンネルを抜ける出口に差し掛かると減速しつつも少々緊張を強いられた… この日は、トンネルを抜けるごとに路面状況が異なる雪道を走り続けたっけ…
アイスバーン路面は不意のスリップが怖かった…
純白な新雪路面は道路状況や道幅が不明だったので、前後に通行車両も無かったし、スリップを恐れて、片側2車線道路のド真ん中を走ったっけ…
また20才台の頃だったか、標高約2000m級の山の峠道を越えようと標高を上げながら山道を走っていたが次第に辺りが雪景色となり、山道も徐々に雪深い道に変化し始めたので途中で断念。細い山道で四苦八苦しながら方向転換して下山したこともあったっけ…
この拙稿は、読まれた方がアタマの片隅に内容を記憶され、いつの日か突然遭遇する特異な道路状況に際に対応策の有益情報となるやも…と纏めてみました。
長きに渡るクルマの運転歴中には多様な状況に遭遇した。
でもその都度、即座の慎重な判断の元、無事に乗り越えられた。
今月道交法が改正され
生活道路走行が時速30kmに制限されましたねぇ。
安全第一 です。

